「刀剣乱舞」アカウント売買問題を考える コスパ考えると買ったほうが得?

2021-09-13

「刀剣乱舞」のアカウント売買が問題に

【アカウントの売買につきまして 1】 (3/4) アカウントの譲渡や売買を禁止しております。 もし発覚した場合、アカウント停止となる恐れも御座いますため、 オークションでの購入等、なさらぬようご注意ください。 サーバは順次増設予定です! #刀剣乱舞 #とうらぶ

— 「刀剣乱舞」開発/運営 (@TOUKEN_STAFF) 2015, 2月 16

【アカウントの売買につきまして 2】 (4/4) DMMオンラインゲームでは複数アカウントの登録を禁止しております。 他のプレイをお待ちしいているお客様のご迷惑となりますので お1人様、1登録でのご利用をお願い致します。 #刀剣乱舞 #とうらぶ

— 「刀剣乱舞」開発/運営 (@TOUKEN_STAFF) 2015, 2月 16

上記は運営によるツイートです。

発端となったのは個人のツイートで、「アカウントがヤフオクで高額売買されている」というもの。

規約違反になるので買わないようにしようね、という流れではありましたが、それを受けて、運営もアナウンス。

なぜアカウント売買(RMT)は起こるのか

RMT(リアルマネートレード)という言葉、ネットゲーム黎明期からポツポツと出始め、いまや1つの投機対象でもあるかもしれません。

ネットゲームなどの架空のWebデータに価値をもたせ、現実のお金で売買する。

架空のWebデータでも、そこには積み上がったコミュニティにおいて相応の価値があるから、現実のお金を出すに至る。

逆に言えば、価値がなければRMT対象にはなりません。

そこにはもはやギャンブルとなった課金ゲーの存在

RMTをするな!ではなく、「してしまう気持ちはよ~~~くわかる」という感じです。ダメだけどね。

まず、スマホゲー、あるいはブラウザゲーの、こういった“基本無料+(ほぼガチャによる)アイテム課金”制度をもち、キャラクターにレアリティがあり、能力に差があるゲームは、完全にギャンブルです。(LOLなんかは違うということになります)

ホンモノのギャンブルと違うのは、たとえば競馬なら馬券を買って、当たった人は現金化、負けたら紙くず。当たった人が当たり馬券を安く譲ってくれるなんてことはありません。

しかしこの手のゲームにおいては、ガチャで良いカードやキャラを引いても、その時点では現実のお金では一切価値がないんです。

ゲーム内の強弱やランクにおいて価値があるのみ。

それならば、自分はそのギャンブル(ガチャ)に参加せず、勝った(当たった)人から買っちゃえばいいんです。

そのほうが、早いし、安い(ことが多い)。

そしてレアリティによってゲーム内の役割がまったく異なり、進行の楽さや対戦において相当な差が出る。

射幸心を煽るために作った歪んだシステムが、成功者から直接購入すれば結果的に安いという矛盾したシステムを産む。

たとえば「ドラゴンクエスト」で中盤まで進んだデータを強いからといって欲しい人はいませんね。なぜならば、ドラゴンクエストは進む過程を見ることも大事だからで、レベル上げは面倒ですが、途中から進めたら何がなんだかわかりません。

スマホゲーは違い、ある程度ゲーム内の相場を知ってしまえば、『最初からこのキャラがいたほうがいい』『このスキルはこのキャラしか無いから出したい、でも出ない』なんてことになります。キャラのトレードが可能ならトレードで、無理ならばアカウントごと、RMTが行われるわけです。

どういうシステムならいいのか

たとえばアーケードの三国志大戦で、懐かしい話題になってしまいますが、『全武将が●●』というプレイヤーがいました。レアリティのある武将カードが排出されるゲームで、彼は、あえてレアリティ最低のカードのみを使ってトップランカーに登りつめています。腕でなんとかなる、巨大な筐体のアーケードゲームだからです。

スマホゲーは腕はあまり関係ないことが多く、単純に出たカードで競う、『札束で殴りあう』なんて揶揄されますね。

そういうところが元来のゲーマーに嫌われます。運営・開発は関係ありません、儲かればいいんですから。

あえて救済策を設けるならば、レアリティ最低でも育て上げればSSランクと同等程度までなれたり、スキルも苦労すればSSランクがデフォで持ってるものも取れる、というふうにすれば、一応公平ではあります。運が悪くても育てればOKということになるでしょう。でもそうはしませんね、高レアリティのキャラだけに強さを与えることが射幸心、ひいては課金(売上)につながりますからね。

それがわかっているからほとんどスマホゲーには手を出しませんので、もしかするとそういう良心的なゲームもあるかもわかりませんが…そうなると売上が出ないから表に出ない(広告が打たれない)し、結果遊ばれないということになるでしょう。

一番くじの話

その昔、(あえて作品名は変えますが)モンスターハンターの一番くじがあり、どうしてもリオレウスのA賞が欲しかったんですが、1回500円の一番くじを何回引けばいいんだろう…と思い、その場は諦めると、のちに秋葉原のフィギュアショップでそれが4800円で売っているではありませんか。

カンのいい人なら何が言いたいかお分かりだと思いますが、そうです、ピンでそれだけが欲しければそれを買えばいいんです。

最初の時に500円のくじで一発で出れば幸いですが、10回でも出ないかもしれない。確率論ではありますが、圧倒的にピン買いしてしまったほうがお得で確実です。(まあ実際ピン買いしましたが)

しかししかし、『何が当たるかわからないのがいい』『何が当たっても楽しい』ならば、絶対一番くじを買って楽しんだほうがいいでしょう。そこはやはり現実と虚構の差ですね。

前述の課金ゲーで、その過程を楽しむのはなかなか難しいのではないでしょうか。当たった時はいいですが、当たらないストレス、低レアリティのキャラクターが被るストレスは相当なものです。そこのストレスよりも当たった時の快感にやられてしまった人が廃人となり、重課金者となり、運営を潤して、業界を狂わせているのでしょう。

RMTは身から出た錆

したがって、声高に『RMTするな』と運営は言いますが、そういうシステムにしているのはあなた方でしょう、と。

実直かつ遊ぶ意味、過程が大事なこれまでのコンシューマゲームの射幸心の部分だけを取り込んでギャンブルとして発展、そうなるのは必然でしたね。