「ドラゴンクエストヒーローズ」 クリアレビューを投稿! ドラクエ新時代の幕が開けた? 恐ろしい完成度と馴染みやすいストーリー

2021-09-13

ノーマークから一転購入

“ドラクエ無双”と揶揄されていたからではありませんが、そこまで購入対象ではありませんでした。発表当初から。

しかし、何の気なしにプロモーションムービーのおそらく第3弾を見てみたら、なかなかおもしろそう、ということで購入決断。たいてい予約勢ではなく、本作も当日購入。いきなり在庫なしということはなく、最寄りの家電量販店で開店一番で普通に買えました。妖怪ウォッチでもない限り最近は並ばないんだろうなあ。

しかし寂しいですね。大きな説明書があるだけマシかな。

『無双』に造詣が深いかどうかは確かに大きいかもしれない

最近数シリーズはなかなか手を出していませんが、もともと『三國無双』はお気に入りのシリーズの1つ。

したがって、本作もベースの部分は三國無双ライクなのですんなり入れました。要するに、□で通常攻撃、△でチャージ攻撃、○で乱舞、×でジャンプ、L1でガード…などなど。

R1押しながら各ボタンで固有アクションがあったり、アクション以外の部分(素材集め、レベル、装備)などで違いを感じましたが、やはりベース部分は共通していたのはいいですね。

ドラクエ風の味付けがすごすぎる。実質“PS4のドラクエ新作”?

このオープニングからすごかったですね。当然ですがドラクエです。セーブデータ選択時もドラクエ。

まるでドラクエのナンバリング新作がPS4で出たかのようです。これには正直感動しました。一応位置づけ的には本流ではないということでしょうけど、ドラクエ風味の出し方は賞賛できます。

ゲーム内部で言えば、過去ナンバリング作のアレンジBGMがふんだんに使われていたり、なじみ装備やアイテム、モンスターが出てきたりと、完全にドラクエファンなら納得の盛り込み方。むしろクサすぎるくらい。

ストーリーは“陳腐”と言われながらも、個人的には“すごく良い”

楽しくボリューミーな反面、モンスターハンターのように気づいたら何百時間もかかってしまうゲームは、一見いいようで他のゲームが触れないというデメリットがあります。そういう意味でヒーローズのストーリーの長さは、長さ的に非常に丁度よかったです。起承転転結くらいで、ほどよくまとまっています。

中身に関しては王道も王道で、まあこんなものかと称され、陳腐だと感じる人もいるかもしれませんが、やはりこれも自分は丁度良く感じました。

小難しい単語や世界設定を並べられるよりも、ある程度先が予想できてもわかりやすいほうがありがたい。水戸黄門がいつまでも見られている理由みたいなものでしょうか。あんまりコッテリしたものよりもアッサリしたほうがありがたいと思っていたところのこの内容で、感動すら覚えました。

キャラクターも、中川翔子さんのアリーナ以外は、芸能人枠の人は皆ハマり役で、主人公の松坂桃李さん、メーアの桐谷美玲さん、ヘルムードの片岡愛之助さんは素晴らしかったです。中川翔子さんはむしろ、ポケモンなどで声優経験が豊富な割にあの表現力で、ちょっと残念。アリーナは少し浮いていましたね。

反面アクションは初回作だとしても物足りない

あまり操作を複雑にできないからかもしれませんが、アクションはもう少し豊富でもよかったですね。全体ヒーラーがゼシカのみというのはやや残念。他には……いましたっけ。それぞれ非常に個性的ですが、さらにいくつかアクションが欲しかったですね。

しかしこれまでのドラクエを根底から覆した 

おそらくこのレビューで一番言いたいのがこれです。

ドラゴンクエストというのは古くはウィザードリィに端を発し、コマンド選択、ターン制のJRPGの先駆けとして何十年も君臨しています。

まどろっこしい言い方をしなければ、スライム1匹でも、エンカウントとターンをしっかりと経て闘うゲームなんです。むろんボス級なら複数ターンの激しい戦闘が待っています。好きなだけ斬り放題というわけにはいきません。

ところがヒーローズでは、雑魚はあくまで雑魚、魔法などで足止めをする一筋縄ではいかない者もいますが、基本的にはボタンひとつふたつでバッサバッサと薙ぎ払っていきます。中ボス級も、慣れればそこまで苦労はしません。そりゃ、無双ベースですからね。

不覚にも、これまでのRPG版で時間かけてじっくりやってたことはなんだったんだ!?と思ってしまいました。これもドラクエの解釈だとするならば、圧倒的にパワーバランスがおかしなことになります。もちろん、そんなゲームのお約束部分を気にするほうがおかしいのは百も承知ですが。

でもダメージ表記だったり、ミスったときの音だったり、やっぱりちゃんとRPG版も踏襲しているな、とは感じました。

適度なクリア後やりこみ要素がいい

裏ボスだったり、周回プレイだったり、~~の間のようなダンジョンだったりと、適度なやりこみ要素があるのがいいですね。

フルでこなしてもそこまで暴力的な時間を取られないのは素晴らしいと感じます。

キャラクター人選は次回作への余韻か

ハッサンがなんでいない!?と感じた一人ですが、そのあたりは次回作への余韻でしょう。

個人的には初回作にしてこの驚異的な完成度を考えると、次回作での更なるブラッシュアップや、キャラ登場が楽しみでなりません。

ヒーローズは今後も「2」「3」とナンバリングに期待が持てるタイトルですね。