週刊アスキー、『完全デジタル化』の英断

2021-09-13

週刊アスキーといえば、ギャグテイストな企画満載で、時折変な付録が付いてくるのが印象的な、個人的には好きな雑誌。一時期定期購入していたほどです。

お知らせ文でも、

週刊アスキーは
「完全ネット/デジタル化」によって最強になります

なんて書かれているように、ちょっとネタを放り込んでくるあたりがたまりません。もちろんガチな方からすればショボさや安っぽさが気になるところかもしれませんが、暇つぶしに読むにはピッタリな媒体であります。

文面からすれば、動画コンテンツの普及や、そもそもの「週アスPLUS」のアクセス好調などを起因としていますが、やはり今の時代、斜陽を極める雑誌媒体からの撤退は英断ではないでしょうか。むろん、どんな雑誌もWeb版が好調とも限らず、あるいはWeb版が存在しなかったりと、安易に後追いできるものではありませんが。

紙の未来とは

斜陽を極める、と書きましたが、まさにそのとおりで、THE PAGEによれば、これほどまでに下がっているようです。

2015年推定では、おそらく1983年と同等になるでしょう。ピンと来ませんが、とにかく、下がっています。

とりわけ雑誌の下がり方(上がり方もですが)が顕著で、まさに死に体といった感じ。8000億も売り上げているじゃん、と考えるか、いろいろなコスト等を考えた上でその程度にしかなっていないのか、言わずもがなではあります。

書籍に関しては活字離れというのもあるかもしれませんが、まあ、一定の需要はあるでしょうし、紙の良さのようなものもあるので別のものと考えるといいでしょう。今回は雑誌にフォーカスします。

時代に則さない歪んだシステム

新聞にも当てはまりますが、紙の大衆向け定期刊行物というのは、もはや時代に則さないレガシーかつ歪んでいるものです。

文量制限、締め切りのジレンマ、誤報や誤字脱字の修正が不可能……

今や完全ブロードバンド時代で、スマホも普及して紙の衰退に追い打ちをかけています。書籍のような必要な紙もあれば新聞雑誌のように必要でない紙もある。そんな中での週刊アスキーの判断は妥当かつ当然でしょう。

ではなぜ逆にほかのメディアが二の足を踏んでいるかといえば、安いプライドによるWebへの抵抗感だったり、締め切りに追われて人材も無くて新たな船を作る余裕がなかったり、といったところでしょうか。人生の黄金期を雑誌で過ごしてなかなかWebで情報を得ることができていない世代が駆逐されれば、どんどんと変わっていくのかな、と思ったり。

付録など寂しい反面英断であり、逆に言えばWebで情報をどう取捨選択するかが求められる時代になってきたのかもしれません。

使ったことはありませんが、間違えてもキュレーションアプリのようなものには手を出さないほうがいいですね。これも理由はさまざまですが、改めてまた実際使ってみて述べる機会があれば述べてみたいとは思います。