PC版「GTA V」(GTAオンライン)レビュー。現実と遜色ないグラと歯ごたえありすぎな強盗ミッションが強烈、ロード時間はカップラーメンが出来るほど
今まさにホットなのがこの『PC版GTA5』、あるいは同『オンライン』ではないでしょうか。
どうしても据え置きの影に隠れがちなPCゲームですが、あるいはなにかの弾みで良スペックのパソコンを持っているならば、このタイトルを遊ばない理由はありません。
なんというグラフィック
以前遊んだPS3版が“どの程度か”覚えてないのが正直なところですが、とにかくこのPC版はとんでもないクオリティです。
細部まで美麗、ゲームの弱点とも言えるタイヤの円形表現も違和感0。『そこに何があるか』というのはPS3版と大差ないですが、『どう描かれているか』が雲泥の差です。
中に入れない建物が多いのは縦マルチの負の遺産ですが、入れない建物のグラフィック補完が素晴らしく、確かに近寄ればカキワリの貼り付けなのはモロバレながら、遠巻き、あるいは通り過ぎる程度ならば気になりません。
シッカリ遠くまで描かれ、なんとなくのノッペリ感も無くなり、草や車などこだわりの部分はとことん美麗、まさにそこに世界がある、空気があるというのを感じることが可能です。一人称視点の搭載も手伝って、“住んでる感”は過去最大のゲームではないでしょうか。
もう2、3段階くらいハードスペックの平均が上がった時には、入れる建物も激増し、グラフィックは大きく向上しないかもしれませんが、その住んでる感はより一層高まる新作が出ることでしょう。
まあ、正直おったまげました。
ちなみに自分の主要スペックはこんな感じで、「GeForce Experience」の自動最適設定に頼っているという具合です。
たとえば4Kモニターにしたり、表示可能数を増やしたり、影を強くしたり……となればまだ上のスペックがいいんでしょうけど、まあこのくらいで文句なしの映像が堪能できています。
褒めた後は
さて、良いゲームだしグラフィックも良好ながら、問題も山積。
筆頭はロード時間でしょう。
自分がなぜPS4版をスルーしたかというと、PC版を遊びたいというのもありますが、ロード時間が皆無だろうと考えたからです。
ストレスフリーなら最初からその方がいいですからね。
しかし現実は全く違い、起動直後の長いロード、オンラインでセッションを切り替える際の長いロードは健在。ぶっちゃけ、あまりPS3版と変わりません。明らかに早くなっている部分はあれど、要所が変わってないのが悲しすぎますね。
欠陥だらけ。よく1年半待たせたものだ
大きな期待を受け、延期を重ねながらも鳴り物入りで導入された強盗ミッションこと「HEISTS」。
正直、そこまで面白くはありません。
理由は簡単で、
っといった具合でしょうか。長いというのはいちいち小芝居を見させられたり、ロード時間含む印象。
敵も鬼のように強く、大量に出てこられた日には、一人でもnoob(初心者)がいると途端に何度もリスタートをするハメになります。
一応、上級者向けの要素ということで、GTA、とくに5の流儀をある程度マスターした人のみが参加すべきなんですが、どうしても初心者も遊びたくなってしまうもの。wikiには、強盗ミッションは練習の場ではない……なんて“上級者様風“の文言がありましたが、ぶっちゃけその通りではあります。ただ長い目で見てあげることも必要ですが、見てあげようにも、いちいちロードが長いし、チェックポイントもなく最初からやりなおし、残機数が異常に少ない……など、欠陥が目立ちます。
欠陥といえばほかにも、メンバーキック機能や、メンバーが抜けた際の救済策(最初からやり直しになるので、途中参加などOKにすべき?)、出発前にいつまでも準備完了にしないメンバーを強制準備完了させる機能が無いなど、枚挙にいとまがありません。
20歩くらい譲ってそれだけならまだしも、一連の強盗ミッションのうち、強盗を感じさせるのはほんのわずか。昔から強盗ミッションを煽っていた公式ビジュアルのように、4人、あるいはそれ以上の人数でワーッと銀行に押し寄せて金を奪う……というのは、実質1種類しかないような情勢です。
加えて、他人を手伝った際に自分の進行状況が変わらないのもいただけないですね。まるでモンスターハンターの集会所緊急クエスト、それも必ず40分以上かかるタイプのクエストのように、不人気強盗ミッションで停滞してしまう人が後を絶ちません。運良く進んだ人が募集した上位強盗ミッションにプレイヤーが殺到するような状況になっており、改善が待たれます。
ロード時間短縮、強盗ミッションまわりの要素大幅改定・追加、課題は山積ですね。
もちろん高難度・長時間のミッションがあってもいいんですが、初心者が気軽にできるような手軽な銀行強盗が無いなど、よく1年半も待たせたなという印象。改善が待たれます。
ともあれ、タバコやスマホなど手持ち無沙汰解消の術がある人ならば、ロード時間はそれに当てるとして、中身自体は実に楽しいので、じっくりガッツリ遊べるのではないでしょうか。強盗ミッションも、セオリーに慣れた人同士でやるならば現状でも楽しめるレベルです。